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工場を"誰もが働きたい職場"へ 人と技能が紡ぐ高岡工場の進化

2025.12.02

2025年8月、トヨタに国内初のバッテリーEV(BEV)専用ラインが生まれた。

操業開始以来、カローラやプリウス、RAV4、ハリアーなど多くの人に愛されてきたクルマを生産してきた“大衆車工場”である高岡工場。

 

2つの製造ラインのうち、第1ラインがBEV専用に切り替わり*、これまで生産していたカローラは堤工場、トヨタ自動車東日本へ移管。
*RAV4やハリアーなどを生産する第2ラインは継続。

目下の生産車種は、10月に新型が発表されたばかりのbZ4Xとなるが、今後BEVの拡大に伴って対応車種も多様化していく見込みだという。

トヨタの電動化を支える重要拠点となった高岡工場だが、生産車種だけではなく、工場での働き方も大きく変えようとしている。

年齢や性別、国籍や障害の有無などにとらわれず、文字通り“誰もがいきいき働く”ことをテーマに掲げる現場を取材した。

デジタル化とは、働き方を変えること

BEV専用ラインとともに新設された「電池ファクトリー」。

「電池パック」をつくる拠点だが、機密情報が多いため通常内部は非公開。今回は特別に、施設内のモニタールームを案内してもらった。

 

部屋に設置された大画面のモニターには、ファクトリー内の設備を動かすための電力や圧縮エアーの消費量、作業員の残業時間などの情報を集約して表示。

現場まで出向いていた稼働確認の作業を、オンラインでできるように改善した。

必要な情報をいつでもどこでも入手可能になり、点検に要する時間が大幅に減ったという。また、異常検知もリアルタイムで把握できるようになっている。

こうしたデジタル化を進めるチームには、ITの専門知識をもつメンバーに加え、車体、塗装、組立などの工程で設備の維持管理を担っていた者も多い。

電池ファクトリーのデジタル化を進めるメンバー。写真左から石原昌宏チームリーダー(TL)、菱沼洋平主任、山口智史エキスパート(EX)。石原TLと山口EXは設備の維持管理を長く担当していたため、電池ファクトリーでの課題解決にやりがいを感じているという。

チームの一員である電池ファクトリーグループの菱沼主任は、デジタル化のゴールは働き方の変革と話す。

車体部 電池ファクトリーグループ 菱沼主任

 

単に設備が新しくなり、データを可視化できればDX化ではなく、働き方が変わって初めてDXを推進できたと言えます。

この電池ファクトリーで最も実現したかったことは、情報の即時共有、IoT (Internet of Things) 化です。必要な情報を、必要なときに取得できれば、多くの人の仕事のやり方を変えられる。

例として、電池パックケースの電着と呼ばれる工程では、乾燥炉に入れ150~190度ほどの温度で乾かします。その設備の周辺での稼働確認は高温下での作業になってしまう。

それもデジタルで可視化することで、そもそも乾燥炉近くに行かなくて済むようになります。働き方が変わることで体への負担を減らし、生まれた余力を業務改善などに割り当てられるようにする。

同時に、電着工程に300個超のセンサーを設置。リアルタイムで情報を取得しています。このビッグデータをAIで分析することで、設備管理の最適化・品質向上・改善につなげられる。

今までは想像できなかった未来の働き方を思い浮かべ、ワクワクしながらDX化を推進しています。そのためにも、現場を熟知しているメンバーと協力できるのは心強いです。

言語の壁を取り払い、安全な現場をつくる

デジタル活用による働き方の改善は、第2ラインでも進められている。

ボデーの溶接を担う車体部 第2ボデー課には現在、海外出身の社員が多く働いている。話す言語も、英語や中国語、ヒンディー語やミャンマー語など、8カ国語以上にわたるという。

各組の組長は作業開始前、作業者を集め、注意事項を共有するミーティングを行うが、ここに言語の壁が立ちはだかっていた。

海外出身の社員の中には、日本語による説明を理解できない人も多く、組長がスマホの翻訳機能(もしくは翻訳アプリ)を使って、個別に説明し直す必要があった。

これにより、情報伝達の工数が増加。ケガ防止といった重要な注意が行きわたっているのか不安も感じていた。

そこで各現場に翻訳ソフトを導入し、大型モニターで表示。組長らの話す内容を同時翻訳し、その場にいる全員に等しく情報伝達できるように。

ソフト導入を進めた同課の秋本すずかは、特に重視したことがあるという。

第2ボデー課 秋本

 

最新の翻訳ソフトを現場に取り入れるだけでは、ツールの導入のみで完結してしまい、本当の課題解決になりません。大切なのは、現場のニーズに寄り添ったうえで、過不足なく必要なものを渡すこと。

第2ボデー課のラインの一番の困りごとは、複数の言語が混在していることだと捉えました。

なので、組長が一度話せば3カ国語以上での同時翻訳ができるよう、ソフトをカスタマイズしたうえで導入。これにより、言語ごとに都度翻訳し直す必要と工数が大幅に減りました。

秋本がカスタマイズして導入した翻訳ソフト。画面左に組長らが日本語で話した内容が表示され、右に「英語」「カンナダ語(インド南西部で使われている言語)」「簡体中国語」で翻訳されている。各言語は、現場の人員構成に応じて入れ替えられる。

実際にコミュニケーションに苦労していた白崎洋之シニアエキスパート(SX)は、ソフトのおかげで現場運営がしやすくなったと語る。

第2ボデー課 白崎SX

 

今まではスマホで翻訳しながら話していましたが、その作業がなくなり大変助かっています。

近年では、夏場の熱中症対策もきちんと伝える必要がありますし、言語や出身を問わず、現場の誰もが安心して働けるようにしていきたいですね。

デジタル活用による働きやすい現場づくりに取り組むメンバーたち。写真左から白崎SX、秋本、横島崇、大橋優衣EX。

身体的な“つらい”を解決していく

デジタル化に加え、高岡工場の各現場ではロボットの導入も積極的に進められている。体に負荷のかかる作業を担わせ、人が働きやすい環境を整備するのが狙いだ。

車体工程のプレスや溶接を終え、塗装工程に運ばれるボデーには、前工程の加工に必要だった穴が開いている。こうした穴は、完成車には不要なだけでなく、そのままにすると車内に水が入るリスクがあるため、シールを貼ってふさいでいく。

シール工程で使用するシール

頭上を流れるボデーに手作業でシールを貼っていくのだが、ふさぐ穴の数は一台につき約30カ所。穴のサイズに合わせてシールを使い分けている。

従来のシール工程の作業風景

ボデーを見上げ、シールを使い分けながら貼るこの作業は、体力・精神共に負担が大きい。

ロボットにより自働化されたシール工程

この作業をロボットで自働化し、作業者はロボットのオペレーターの役割に回る取り組みが進められている。

ロボットへのティーチングを教える四田雄二TL(左)と学ぶ鍵谷。

塗装成形部の鍵谷歩美はその一人。「私も担当していた工程なので、経験を生かして進化させたい。何より、作業メンバーを楽にさせたいという想いがありました。新しい技能を得るチャンスとも考えています」と語る。

経験のなかったロボットへのティーチングを、先輩の四田TLに学びながら工程をつくり上げた。

 

体への負担を軽くする改善は、車両を検査する工程でも。

品質管理部による足回りの確認作業は従来、下の写真のように、車体の下に潜り込み、ライトを片手に見上げながら確認するというものだった。首や肩に大きな負担が生じるだけでなく、検査項目を頭に入れて作業する必要があった。

従来の足回り確認作業の風景

そこで組立途中の車両を運搬する過程で、複数のカメラを使い車体下部を撮影。

 

作業者は送られてきた映像を、モニターでチェック。

 

モニターには検査項目のほか、カメラが撮影した「現車画像」と「正解画像」が並べて表示。これにより作業者の負担軽減のほか、見落としや判断ミスなどの防止にもつながっているという。

体格や性別に左右されず、誰もが同じように検査できることから、同部内では「ダイバーシティ工程」と呼ばれる。導入を進める乙幡美輝EXと金田京介EXは、足回り以外にも拡大するつもりだという。

乙幡EX(左)と金田EX。

現場を強くするための変化を

次に取材したのは、塗装を終えたボデーに内装やバンパー、ドアといったパーツを組み付けていく「組立工程」。

 

ラインを流れるボデーには、各部に組み付ける部品をまとめて記載した、「指示ビラ」という紙が貼られている。

 

作業者は、A3サイズの紙にビッシリ書かれた記号やアルファベット、数字の組み合わせから必要な部品を読み解き、組み付ける。

 

万が一、読み間違えた場合は、誤った部品を組付けたままお客様の元に届いてしまうリスクがある。

また、部品によっては指示ビラが見えない車内で作業する必要もあり、内容を確認するたびに出入りするという負担も生じていた。

 

これらの課題を解決するため、新たに導入を進めているのが、各部品の組み付け作業者にとって必要な情報のみを表示した「電ビラ(電子指示ビラ)」だ。

 

組み付けに使う作業台車に「電ビラ」を表示したタブレットを設置。注意が必要な部品などはハイライトで表示することも可能で、読み間違いに気を配る精神的な負荷を軽減した。

 

さらに腕時計型の器具に組付け指示を表示させる「電ビラウォッチ」も導入。指示内容を見直すために車内を出入りする必要なくなり、身体的負担も解消。

 

「車内を出入りするムダがなくなり、体も楽になった」という声が多く挙がっているという。

電ビラ導入を進める組立部の吉村尚EXと河合一夫工長は、「組立工程の人たちは読み間違いを起こさないよう、記憶や意識を頼りにずっと頑張っている。電ビラでその負荷が減り、作業しやすくなったのは間違いないと思います。工程でつくりこむという現場の強さを、ツールの導入でサポートする。それが私たちの役割だと思っています」と語った。

吉村EX(左)と河合工長。

製造ラインの各所で進む働き方の改善に加え、高岡工場は物流現場でも大きな改革に取り組んでいる。

 

物流を「運ぶ」から「運ばせる」へ

 

上の写真は、溶接工程で使われるボデーの骨格となるパーツ。これらは、まず物流業者が工場内のヤードに運び込む。

このときトラックでは工場内に入れないため、ドライバーはリフトに乗り換えて搬入しなければならない。

トラックからの荷下ろし(1枚目)とともにリフトでの搬入(2枚目)が必要。

運び込まれたパーツは、構内物流の担当者が牽引車で各工程へ。トラックドライバーも構内物流の担当者も広い工場内を往復する必要があった。

 

こうした負担を解消するために進められているのが、AMR(Autonomous Mobile Robot、自律走行搬送ロボット)による、ロボットに“運ばせる”物流だ。

 

AMRは工場の床に貼られた2次元コードを読み取り、直進や後退、左右への方向転換ができる。

 

この2次元コードを工場内に貼り巡らすことにより、状況に応じて最適な経路設定ができる。

 

また、AMR同士の衝突防止や障害物の回避なども、搭載したセンサーによって自動で行われる。

工場内を走る無人搬送車としては、AGV (Automated Guided Vehicle)があるが、AGVは床に貼られた磁気テープ上を走るため、一度コースを設定すると、変更も簡単にはできない。障害物があれば停止するしかないなどのデメリットがあった。

 

ルート設定を柔軟にできるAMRの導入により、無人搬送できるエリアは拡大。ヤードの整理も併せて行うことで、トラックドライバーのリフトによる搬送は5メートル以内で完結するように。

トラックドライバーが工場内まで運び入れる必要がなく、事故のリスクも軽減した。

AMRは柔軟に経路設定ができるため、ヤードの直近まで来ることが可能。

工場内でもAMRが自動でパーツを運搬。人が牽引車を運転する距離は短くなった。

 

「AGVが線路上を走るトロッコなら、AMRは掃除用ロボットのようなイメージです」と物流改善チームの一員である青沼宏紀は語る。

青沼は、物流のつらい作業をAMRで“徹底的に”なくすと強調したうえで、物流改革は人材育成の場でもあると付け加えた。

車体部 品質物流課 青沼

 

物流はシステム(デジタル)が大きな競争力を生みます。人が “運ぶ”作業を、AMRに“運ばせる”とともに、ドライバーの負担も解消していく。

そのためには、物流に携わる私たち自身が、ロボットの保全を含めて手の内化し、デジタルを駆使したTPS(トヨタ生産方式)ができる人材に育つ必要がある。そんな技能を持った「物流保全人材」の育成が高岡工場で進んでいます。

青沼自身、AMR導入当初は、操作のプログラミングからデータ管理など全く知識がない状態からスタートだった。たった一台を動かすだけでも苦労したという。

AMR導入を進める同課の柴田昂平(左)と青沼。

物流現場でのデジタル活用は試行錯誤の連続で、少しずつ物流保全の知識を身に付けた。今では160台ものAMRをコントロールする。

高岡工場出身で現在、元町工場の物流・情報製造技術部に出向いてノウハウを学んでいる米納京香。得た知見を活かし、全員が活躍できる現場にしていきたいと語った。

元町工場 物流・情報製造技術部 米納

 

部品を搬入したり、機械にセットしたりする現場では、重量制限により女性が携われない仕事も多かった。

そのような制限が生まれる作業はロボットに担ってもらい、誰もが平等に活躍できる仕事に人をシフトしていくことが工場全体のテーマであると同時に、私たちが目指すべきところです。

部品物流でも働きやすさを

物流改革は細かな部品の仕分け・運搬でも進められている。

 

写真は高岡工場の組み立てラインに生まれた「トヨタ高密度保管仕分システム(Toyota High Density Storage Sorting System)」。通称THDSだ。

3万点の部品から構成されているともいわれる自動車。THDSはその名の通り、物流業者が運んできた部品を、工程や種類ごとに自動で仕分けてくれるシステムだ。

構内物流の担当者が牽引車に載せて、所定のラックまで運搬・仕分けしていた作業を自動化した。

 

各工程で必要となった部品は、THDSに入力すると自動で取り出し口まで持ってきてくれる。

ラインの作業者はこれまで、部品が並んだラックから都度必要なものを探し出して回収する必要があった。1日の歩行距離は、なんと約15キロ。それがTHDS導入により約2.7キロまで軽減。部品の取り出し口も、女性でも取りやすい高さに設定されている。

 

組立部 磯貝咲友

従来の歩きながらの部品取り出しでは手が届きづらく、背伸びをすることも多かったです。

THDSでは部品を探し回る必要がないのに加え、取り出しやすい位置に箱がセットされるので非常に助かっています。

ラックから背伸びをして部品を回収する磯貝(写真1枚目)。男性もラック下部の部品はかがんで回収する負担があった(写真2枚目)。

THDSに挑戦する際には、組立ラインや設備保全など、さまざまな現場からノウハウを持った人たちが手を挙げ、ワンチームで知恵を寄せ合ってきた。

組立保全課の渋谷成希TLは「年齢や体格差を理由にせず、誰もがいきいきと働けるようにする。(THDSは)全社的なテーマにも合致する取り組みなので、他工場にも広がれば嬉しいですね」と語った。

THDS実現に尽力してきたチーム。写真左から組立部の渋谷TL、高橋慶、磯貝、鈴掛弘樹組長、中山龍ノ介。当初は頻繁に設備が停止し、手作業で部品を仕分け直すとこも多かったが、現在ではスムーズな稼働を維持できるようになった。

最新技術を駆使して働きやすい工場に変革しようとする高岡工場。

しかし、こうしたデジタル化やロボットの導入が進めれば、人間は必要なくなるのでは?という疑問も同時に生じてしまう。

次の現場でそんな質問をしてみると、「人の技能は決してなくならない」という答えが返ってきた。


 

人の技能があってこそ、工場は変わる

溶接や塗装、組立など、高岡工場の各部には「専門技能研修所」という、手作業による技能を磨く道場のような場所がある。

 

山沢祐一SXと大塚慶英SXは、ここで“先生役”を務める。ともに1980年に入社し、以降は塗装一筋。機械塗装も、手作業による塗装も経験してきた。

デジタルツールやロボットの導入が進む高岡工場で、人の技能はどうあるべきかを2人に聞いてみたところ、このような答えが返ってきた。

「ロボットの導入が進み、手作業の技能は教えなくてもよいのでは?と思われがちですが、それは大きな間違いです。ロボットに技を移植するには、より高い知識・技能を持った匠がいることが前提になります」(山沢SX)
「どんなにロボットが発達しても人の手による作業は必要とされる。なので、五感を伴う技能を伝承する“ヒトづくり”には責務を感じています」(大塚SX)

山沢SX(左)と大塚SX。

そんな高岡工場に宿る技能の伝承が、一つの形となったプロジェクトが2019年に行われている。

可能な限り機械に頼らず、人の手だけを使って生み出された世界に一台だけの「RAV4リムジン」。プレスから溶接、塗装や組み立てなどの現場から約200名のベテラン・若手有志が集まり、約半年かけて完成した。

「モノづくりは人づくり」の象徴として高岡工場内に展示されている。

通常のRAV4から全長を80cm伸ばし、快適な室内空間を実現。ボンネットにはモリゾウのサインも。
プロジェクトに参加したメンバーたち

製造現場を起点にした価値創出

高岡工場で磨かれてきた技能は現在、クルマづくりに新たな風を吹き込もうとしている。

塗装成形部では技能を応用して、グラデーションや大理石模様などの塗装を考案。これらは既存のクルマには採用されていない意匠で、生産現場から新車企画やデザインに発案していく道を模索している。

塗装成形部が考案した意匠

「自分たちが培った技能を生かせば、こんな色を実現できる、こんな商品も生み出せる。現場を起点に新しい価値を創出する“コトづくり”も我々の挑戦の一つです」と同部の古町大樹主任(写真左)と菅野勇樹主幹は口をそろえた。

 

高岡工場では工程で発生したクルマの端材を、カードケースといった別の製品に加工する“アップサイクル”にも挑戦中。ここにもクルマづくりを通じて磨かれた技が生かされているそうだ。

日本のモノづくりのど真ん中

最後に森田光宏工場長にこれからの高岡工場について話を聞くと、佐藤恒治社長が訪問した際のエピソードを交えて、このように話った。

森田工場長

 

今、高岡工場は“人中心”をテーマとした工場の景色を変える取り組みを進めています。重いものを運ぶ作業、熱い場所で働く作業などを全てなくし、“誰もがいきいき働く”工場づくりを加速させています。

佐藤社長にもそう説明すると「じゃあ、そこで働いていた人たちはどうなるの?」といただきました。

リフトや牽引車でモノを運んでいた人などは、物流の知識や技能が培われています。それを活かし、デジタルやロボットを活用した効率的な物流システムを設計する役割に回ってもらうなど、より高次な仕事に挑戦してもらいます。

技能を磨き上げた人が、時代に合わせた新しい知識を得ることで、次世代の技術や働き方を実現していく。それが進めば、また異なる形で技能を必要とする仕事が生まれ、研鑽を重ねることで進化につながっていく。

なので、機械が入るから技能がなくなるという心配は、全く必要ないと思っています。

こんな話をした際、「それこそが、日本のモノづくりのど真ん中だよね」と、佐藤社長は言われたんですよ。

機械や技術と共存しながら、人が得意なことを生かした仕事をどんどんやれるようにする。技能、そして働く人たちをど真ん中に据えた改革の先にこそ進化があると信じ、皆で一生懸命取り組んでいきます。

カローラから始まり、“大衆に愛されるクルマ”をつくり続けてきた歴史をもつ高岡工場。先人たちが培ってきた技能とともに、今度は“BEVの大衆化”を支える工場に進化しようとしている。

変わらない技能への想いと、時代とともに変わる生産車種。未来にわたってモノづくりの精神を失わないため、誰もがいきいき働くことのできる環境をつくっていく。高岡工場の現場からは、そんな前向きな覚悟が見えた。

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